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22.山火賁(さんかひ)見 栄を捨て内面充実の時

卦 象 

 本卦 運勢予報 晴れ
卦辞 賁。亨。小利有攸往。
(ひはとおる。すこしくゆくところあるによろし。)
運勢 「賁」は飾ること。「山火賁の時は通じる。小さいことなら進んでも良い」。この卦が表しているのは、太陽(火)が山のかなたに沈む日没寸前の光景で す。山々が夕日で赤くいろどられ、確かに息をのむほどに美しい姿ですが、それはあくまで表面的かつ一時的な美しさで、内面的、永続的なものではありませ ん。 山火賁の時は、たとえるならば夕暮れ時で明るさに乏しく、遠くまで見通すことができません。したがって、まず大きなことをする時ではありません。また、と か く外見にとらわれ、体裁にこだわる時ですので、見たて損ないのないようその内面にこそ目を向けることが大切です。メッキがはがれたら目もあてられなかっ た、ということにならないように内容を充実させましょう。
初爻 爻辞 賁其趾。舎車而徒。
(そのあしをかざる。くるまをすててかちす。)
対処法 「足を飾る程度。格好の良い車などに乗らず歩いていく」。確実に、本来持っているものを生かして進みましょう。会社では業者からの接 待、ワイロなどの誘惑に乗らないことです。
二爻 爻辞 賁其須。
(そのひげをかざる)
対処法 「須」はひげのこと。「自然にはえてくるあごひげを飾る程度なら良い」。口があってのあごひげ、ただ従うだけの時です。才能がないの だから仕方ないかも。あるいは、体裁だけで中身のない時です。交渉などには要注意。
三爻 爻辞 賁如。濡如。永貞吉。
(ひじょじゅじょえいていにしてきち)
対処法 「賁如」はかざりたてること。「濡如」はみずみずしいこと。「美しくみずみずしく飾りたてた姿。このままいつまでも貞正にしていれば 吉」。きらびやかな美しさ、それはそれで見事だから良いのです。
四爻 爻辞 賁如。[白番]如。白馬翰如。匪冦婚媾。
(ひじょじゅじょはくばかんじょ。あだするにあらずこんこうせんとす。)
対処法 「賁如」は飾りたてること。「膰」は白髪。「翰」は白い馬。「寇」は敵、賊のこと「白虚飾のない馬がやって来る。敵ではなく求婚しに 来たのだ」。飾り気のない人の援助を得られる時です。飾らない態度、控えめな態度で臨むべきです。
◎良い時です。
五爻 爻辞 賁于丘園。束帛戔戔。吝終吉。
(きゅうえんをかざる。そくはつせんせんりんなれどもついにきち。)
対処法 「束帛戔戔」とは少なくて貧しいこと。「丘や畑を質素に飾る程度。」一時非難されるが、ケチケチぐらいのほうが最終的には吉」。何事 も質素倹約を心がける時、その努力が後で好結果を生むでしょう。
◎良い時です。
上爻 爻辞 白賁。无咎。
(しろくかざる。とがなし。)
対処法 「白く飾る。問題はない」。 白色は美しい。最高の美しさを求めていけば、結局、行き着くところは質素で飾らない自然のままの姿にな るでしょう。飾り気を捨て、内面を充実する時、精神的な喜びがあります。